酔いどれ天使の唄

作詞:菊地展弘
作曲:溝部慎介

老いぼれ天使は何処へ行く 深く沈んだビルの陰
酔いどれクダ巻き何を見る はるか渦巻く雲の果て
遠く瞼の中に笑うあなたの声がする
長いまつげの奥 僕を映した影法師

また君に会いたいよ またここで待ち合わせ
また君に会いたいよ ずっと待ってる

月日にまみれた服を着て 日灼けた顔には穴があき
寝床を両手で抱え込み 見知らぬ人とすれ違う

そよ風の吹く日は歌うあなたの声がする
踊る金木犀 茹だる沈黙届けたい

また君に会いたいよ またここで待ち合わせ
また君に会いたいよ ずっと待ってる

ある夜天使は夢の中 そら飛ぶ気球に乗りました
気球は強い風を受け 上へ上へと舞い上がる
固くねじれた十字のように やがて気球は回りだす
主人のいないカイトのように 嵐の中へ突き刺さる

強い雨に打たれ眠るあなたを探してる
深い闇の中にあなたの名前を呼びながら

また君に会いたいよ またここで待ち合わせ
また君に会いたいよ ずっと待ってる

酔いどれ天使の夢の果て そこは寝床の硬い土
酔いどれ天使の夢の果て さみしいいつもの夜の底

(2009.4)